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補助金まとめサイトで同じ市が「あり」と「なし」に分かれていた ── 一次情報の確認順

公開 2026-09-03/更新 2026-09-03

「結婚 補助金 ○○市」で検索すると、補助金まとめサイトがたくさん出てきます。 そこに書かれている情報は、どこまで信じていいのでしょうか。

105自治体を全件調べる過程で、同じ自治体が「あり」と「なし」の両方に 書かれている場面に何度も当たりました。 結論から書くと、順番を守れば見分けられます。

実例:金沢市は「あり」なのか「なし」なのか

金沢市の結婚新生活支援事業について、第三者のまとめサイトの記載はこう割れていました。

では正解はどちらか。石川県が公表している一次情報を見ると、こう書かれています。

令和8年度は、県内15市町において国の結婚新生活支援事業費補助金を活用した 結婚に伴う新生活の経済的支援を実施しています。

そして列挙されている15市町は、七尾市・小松市・加賀市・羽咋市・かほく市・能美市・野々市市・ 川北町・津幡町・内灘町・志賀町・宝達志水町・中能登町・穴水町・能登町。 金沢市は入っていません。 金沢市自身のサイトの「結婚・離婚」ページにも、この事業の記載はありませんでした。

出典:石川県「結婚新生活支援事業費補助金の活用について」(更新日2026年6月17日)https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kodomoseisaku/kekkonhozyokin.html(確認日 2026-09-03)

国の一覧も、そのままでは使えません

「じゃあ国の一覧を見ればいい」と思うところですが、ここにも罠があります。

こども家庭庁の「結婚新生活支援事業 実施市区町村一覧」は基準日時点のスナップショットです。 今回の調査では、この一覧に掲載されているのに 市の公式ページを開くと「終了します」と書かれている自治体が2件、 県の最新一覧では非掲載だった自治体が8件ありました。

状況自治体数
公式ページで実施を確認できた24
国の一覧に掲載があるが、公式ページに「終了」の記載があった2
国の一覧に掲載があるが、都道府県の最新の実施市町村一覧では非掲載(実施していないと判断できる)8
国の一覧に掲載があるが、公式ページを横断して探しても該当ページを見つけられなかった1
国の一覧に記載がない70
合計105

一覧に載っていることは、いま申請できることを意味しません。

確認する順番(強い順)

編集部が105自治体を調べて確定させた順番です。上から順に当たってください。

  1. 都道府県の「当年度の実施市町村一覧」

    いちばん強い情報です。県が実施市町村を名指しで列挙しているため、 そこに載っていなければ実施していないと判断できます。 「○○県 結婚新生活支援事業 実施市町」で検索すると出てきます。 石川県・富山県・香川県・島根県・宮崎県などが公開していました。ただし全都道府県にあるとは限りません

    ★ここに落とし穴があります。県の一覧には2種類あります。 石川県は「令和8年度は、県内15市町において…実施しています」と 網羅的に宣言しています。この形なら非掲載を実施なしの根拠にできます。 一方、埼玉県の一覧には 「下記以外の市町村でも、事業を行っている場合があります。 詳細は各市町村にお問合せください。」という注記があり、 県が一覧の網羅性を保証していません。 この形の一覧では、載っていないことは実施していないことの証明になりません。 一覧を見るときは、本文の言い回しと注記まで読んでください。 本サイトでも、この違いによって同じ「県の一覧に非掲載」を別の分類に振り分けています (さいたま市は埼玉県の一覧の該当区分に非掲載でしたが、注記があるため 「実施していない」とは断定せず「確認できず」にとどめました)

  2. 市区町村が公表する「地域少子化対策重点推進交付金を活用した事業」の一覧

    この事業は同交付金が財源なので、市自身が公表する活用事業の一覧に載っていなければ 実施していない証拠になります。長崎市はこの一覧を令和6・7・8年度の3年分公開しており、 いずれにも本事業は含まれていませんでした。 注意点:市名が載っていても本事業とは限りません。 富山市と呉市は同じ交付金の別メニュー(子育て情報発信など)で載っていました。 事業名まで必ず読んでください

  3. 市区町村の当該事業ページ本文

    金額・要件・期限はここで確認します。要綱PDFにだけ書かれていることもあります

  4. サイト内検索(補強にとどめる)

    Google で site:市のドメイン 結婚新生活支援 と検索します。 0件なら実施していない可能性が高いですが、これ単独を根拠にしないこと。 編集部は宇都宮市と山形市で、そもそもホスト名を間違えていて0件になっていました (正しくは city.utsunomiya.lg.jp と city.yamagata-yamagata.lg.jp)

まとめサイトの記載がずれる理由

断定はできませんが、調査中に見えた傾向です。

  • 更新が止まっている。制度は毎年度見直され、終了する自治体があります
  • 年度がずれている。令和7年度の内容が令和8年度として残っていることがあります
  • 別の制度と混同している。「新婚世帯向け家賃補助」「定住促進の住宅取得補助」は 似ていますが別事業です。呉市の「新婚・子育て世帯定住支援事業」は中古住宅購入への補助で、 家賃・引越費用は対象外でした
  • 国の一覧をそのまま転記している。基準日のスナップショットなので、 終了した自治体が残ります

まとめサイトは「候補を見つける」ためには役に立ちます。 ただし金額・要件・期限をそこから写して行動しないでください。 必ず自治体の公式ページで確認してから動きます。

自治体の横断データを見る 105自治体分の根拠URLと確認日を載せています

このサイトの数字も、そのまま信じないでください

編集部も間違えます。この調査中に見つけた自分たちの誤りを挙げます。

  • 存在しないホスト名を見て「サイトにアクセスできない」と記録していた(宇都宮市・山形市)
  • 4年前に終了したサービスを現役として一覧に入れていた(ペアーズエンゲージ)
  • 「非実施はすべて県庁所在地」と書いたが、呉市は県庁所在地ではなかった
  • 集計表の合計が母数に届いていない状態で公開していた(105自治体のうち96件しか出ていなかった)

だからこのサイトでは、すべての項目に根拠URLと確認日を載せています。 数字がおかしいと思ったら出典に当たってください。そのために置いています。

よくある質問

都道府県の一覧が見つかりません。どうすればいいですか?

すべての都道府県が公開しているわけではありません。その場合は、市区町村が公表する「地域少子化対策重点推進交付金を活用した事業」の一覧を探してください。この事業は同交付金が財源なので、市の活用事業一覧に載っていなければ実施していない有力な証拠になります。それもなければ、市の当該事業ページと担当課への問い合わせで確認します。

国の一覧はどこで見られますか?

こども家庭庁の「地域少子化対策重点推進交付金」のページで「結婚新生活支援事業 実施市区町村一覧」がPDFで公開されています。ただし基準日時点のスナップショットであり、そこに載っていることは現在申請できることを意味しません。

市の担当課に電話で聞くのが早いのではないですか?

確実です。ただし担当課が分からないと回されるので、先に公式ページで担当課名を確認してから電話するのが早いです。担当は市によって企画調整課・こども政策課・子育て支援課・都市ブランド戦略課・連携共創課などとばらついています。個別ページに分かる範囲で記載しています。

去年もらえた人がいるのに、今年は制度がないと言われました

この制度は市区町村の任意事業で、年度ごとに実施を判断します。前年度に実施していた自治体が今年度は実施しない、というのは実際に起きています。福井市は令和9年度について「制度等の大幅な見直しが検討されており、事業実施については不確定」と公式ページに明記しています。

出典:こども家庭庁「結婚新生活支援事業 実施市区町村一覧」/ 石川県・富山県・香川県・島根県の各実施市町村一覧/ 長崎市「地域少子化対策重点推進交付金を活用した事業について」/ 広島県「広島県地域少子化対策重点推進交付金について」/ および各自治体の公式ページ(いずれも確認日 2026-09-03)