国の一覧に載っているのに、市の公式ページでは終わっている ── 結婚新生活支援事業を105自治体で全件調べた
公開 2026-09-02/更新 2026-09-02
結婚を機に引っ越すとき、自治体から住居費や引越費用の補助を受けられる制度があります。 「結婚新生活支援事業」と呼ばれるもので、こども家庭庁が実施している市区町村の一覧を公表しています。 普通は、この一覧で自分の住む自治体を探して、載っていれば申請できる、と考えます。
ところが、それだけでは足りませんでした。
105自治体を全件調べました
編集部は、政令指定都市20市・中核市62市・東京都特別区23区の105自治体について、 こども家庭庁の一覧と、各自治体の公式ページの両方を突き合わせました。抽出やサンプリングはしていません。 結果はこうです。
| 状況 | 自治体数 |
|---|---|
| 公式ページで実施を確認できた | 24 |
| 国の一覧に掲載があるが、公式ページに「終了」の記載があった | 2 |
| 国の一覧に掲載があるが、都道府県の最新の実施市町村一覧では非掲載(実施していないと判断できる) | 8 |
| 国の一覧に掲載があるが、公式ページを横断して探しても該当ページを見つけられなかった | 1 |
| 国の一覧に記載がない | 70 |
| 合計 | 105 |
「令和7年度をもって終了します」と書かれていた自治体
長野市
★「長野市結婚新生活支援事業補助金」について、市公式ページに「令和8年度からは、新規申請受付を終了させていただくこととなりました。(令和8年2月1日以降に婚姻された夫婦)」「本事業は、令和7年度をもって終了します。」と明記。ただし令和7年度の交付額が上限額に達しなかった継続交付対象者と、令和8年度の資格認定を受けた方(令和8年2月1日以前婚姻)は令和8年度も申請可
出典:https://www.city.nagano.nagano.jp/n041600/marriage/p001360.html(確認日 2026-09-02)
下関市
★市公式ページのタイトルは「【終了しました】令和7年度 下関市結婚新生活支援補助金のご案内」。本文に「本年度は終了しました」とあり、エントリー(抽選参加申込)締切は令和7年(2025年)10月31日で既に終了。子育て政策課の最新一覧(2026年9月1日更新)にも令和8年度版の新規案内ページは掲載されておらず、令和8年度の新規実施は確認できなかった
出典:https://www.shimonosekicitypromotion.jp/131804.html(確認日 2026-09-02)
国の一覧は基準日時点のスナップショットです。 一覧に載っていることは、いま申請できることを意味しません。 申請の前に、必ず自治体の公式ページで当年度の受付状況を確認してください。
国の一覧には載っているのに、県の一覧では非掲載だった自治体
都道府県のなかには、その年度に国の補助金を使って支援を実施している市町村を、 名指しで列挙した一覧を公開しているところがあります。 国の一覧と県の一覧を突き合わせると、国には載っているのに県には載っていない自治体が出てきます。 県が実施市町村を列挙している以上、これは「編集部が見つけられなかった」のとは意味が違い、 その年度は実施していないと判断できます。
金沢市
県一覧で非掲載。石川県が公表する令和8年度の実施市町一覧(15市町)に金沢市は含まれておらず、市公式サイトの「結婚・離婚」ページにも本事業の記載がない
石川県「結婚新生活支援事業費補助金の活用について」(更新日2026年6月17日)は「令和8年度は、県内15市町において国の結婚新生活支援事業費補助金を活用した…支援を実施しています」と明記し、七尾市・小松市・加賀市・羽咋市・かほく市・能美市・野々市市・川北町・津幡町・内灘町・志賀町・宝達志水町・中能登町・穴水町・能登町を列挙している。金沢市は非掲載。あわせて市公式サイトの「結婚・離婚」ページ(www4.city.kanazawa.lg.jp)を確認したが、掲載項目は「婚姻」と「ひとり親家庭向けのサポート」のみで本事業の記載はない。
出典:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kodomoseisaku/kekkonhozyokin.html(確認日 2026-09-03)
鹿児島市
県一覧で非掲載に相当。鹿児島市自身が公表する「令和8年度地域少子化対策重点推進交付金活用事業」に結婚新生活支援事業は含まれていない
鹿児島市「令和8年度地域少子化対策重点推進交付金活用事業」(更新日2026年6月18日)を確認。市が同交付金で行う事業として挙げられているのは、婚活サポート事業(マリーサポートかごしま運営・AIマッチング)、ライフデザインセミナー開催事業、企業・団体間交流・出会いサポート事業、こどもまんなかプロジェクト、出会いサポートイベント開催事業、まぐまっこasobiba100認定事業で、ページ内に「結婚新生活支援」の語は存在しない。
出典:https://www.city.kagoshima.lg.jp/kosodate/kosodate/wedding/tikishoshikataisakujuutensuishinkouhukin.html(確認日 2026-09-03)
長崎市
県一覧で非掲載に相当。市が公表する地域少子化対策重点推進交付金の活用事業一覧(令和6・7・8年度の3年分)に本事業は含まれておらず、市公式サイト内に「結婚新生活支援」の語が1件も存在しない
長崎市「地域少子化対策重点推進交付金を活用した事業について」(ページID0058103/更新日2026年6月15日)に掲載された実施計画は、令和8年度=ながさきめぐりあい創出事業/子育てふれあい支援事業/ながさきカップル応援事業/こども子育て相談支援・情報発信事業・対話型ワークショップの4件、令和7年度=5件、令和6年度=3件で、いずれにも結婚新生活支援事業は含まれない。あわせて site:city.nagasaki.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
出典:https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/58103.html(確認日 2026-09-03)
宮崎市
県一覧で非掲載。宮崎県が公表する令和8年度の交付金活用事業一覧に宮崎市は掲載されているが、その内容は「宮崎市みやざき出会い・結婚総合支援事業」「宮崎市ゆる活から始める出会いの機会創出事業」であり、結婚新生活支援事業は含まれていない
宮崎県「地域少子化対策重点推進交付金活用事業について(令和8年度実施)」の市町村事業欄を確認。結婚新生活支援事業を実施しているのは日南市・小林市・三股町・国富町・都農町・高千穂町等で、宮崎市の欄は出会い・結婚総合支援事業と出会いの機会創出事業のみ。同ページには「下記以外の市町村でも実施している場合がある」といった網羅性を留保する注記はなかった。あわせて市公式サイトに住居費・引越費用を対象とする本事業のページが見当たらないことを確認した。
出典:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kodomo-seisaku/kyoikukosodate/kodomo/20260608180938.html(確認日 2026-09-03)
高松市
県一覧で非掲載。香川県が公表する令和8年度の市町の結婚支援の取組のうち「新婚世帯のための補助制度」に高松市は含まれておらず、市公式サイト内に「結婚新生活支援」の語が1件も存在しない
香川県「市町の結婚支援の取組(令和8年度)」(ページID41037/公開日2026年5月21日)の「新婚世帯のための補助制度」欄に掲載されているのは丸亀市・坂出市・善通寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市・土庄町・宇多津町・綾川町・琴平町・多度津町・まんのう町で、高松市は非掲載。あわせて site:city.takamatsu.kagawa.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
出典:https://www.pref.kagawa.lg.jp/kosodate/shoshika/en-musu/shimachishiensaku.html(確認日 2026-09-03)
富山市
県一覧で非掲載。富山県が公表する令和8年度の実施自治体一覧(13市町)に富山市は含まれておらず、市公式サイト内に「結婚新生活支援」の語が1件も存在しない
富山県「令和8年度結婚新生活支援事業費補助金の活用について」(更新日2026年6月19日)は「令和8年度は以下の県内13市町において、国の結婚新生活支援事業費補助金を活用し、婚姻に伴う新生活の経済的支援を実施しています」と明記し、高岡市・魚津市・氷見市・滑川市・黒部市・砺波市・小矢部市・南砺市・射水市・上市町・立山町・入善町・朝日町を列挙している。富山市は非掲載。あわせて site:city.toyama.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した(市の結婚関連施策として確認できるのは婚活イベント等の出会いの場創出のみ)。
出典:https://www.pref.toyama.jp/101721/kekkonshinseikatsu.html(確認日 2026-09-03)
呉市
県一覧で非掲載。広島県が公表する令和8年度の地域少子化対策重点推進交付金の市町事業一覧に呉市は載っているが、その内容は「呉子ども祭助成事業、くれ こどもまんなかキャンペーン、子育て世代への情報発信・配信事業」であり、結婚新生活支援事業は含まれていない
広島県「広島県地域少子化対策重点推進交付金について」(掲載日2026年6月19日)の令和8(2026)年度・市町事業欄では、結婚新生活支援事業を実施しているのは竹原市・三原市(1)であり、呉市の欄には「呉子ども祭助成事業、くれ こどもまんなかキャンペーン、子育て世代への情報発信・配信事業」と記載されている。あわせて site:city.kure.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
出典:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/248/syoushikakouhukin.html(確認日 2026-09-03)
松江市
県一覧で非掲載。島根県が公表する令和8年度の実施市町村(2市6町)に松江市は含まれておらず、市公式サイト内に「結婚新生活支援」の語が1件も存在しない
島根県「結婚新生活支援事業」(子ども・子育て支援課)は「令和8年度『支援プログラム(結婚新生活支援事業)』を実施している市町村 2市6町で実施しております」として浜田市・江津市・奥出雲町・川本町・美郷町・邑南町・津和野町・吉賀町を列挙している。松江市は非掲載。あわせて site:city.matsue.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した(市の結婚関連施策として確認できるのは結婚支援システム「しまコ」と出会い創出イベント事業補助金で、いずれも住居費補助型の本事業ではない)。
出典:https://www.pref.shimane.lg.jp/education/syoushika/syoushika/genjo/koufukin/kekkonshinseikatsu.html(確認日 2026-09-03)
なお、この8件のうち7件は県庁所在地です。 結婚新生活支援事業は市区町村の任意事業で、財源の一部を市区町村が負担します。 人口の多い都市ほど対象世帯数が多く、必要な予算規模も大きくなるため、 都市部では実施されにくい構造があると考えられます。 実際、今回調べた東京都特別区23区のうち、公式ページで実施を確認できたのは0区でした。
一覧に掲載はあるが、公式ページで確認できなかった自治体
次の自治体は、国の一覧に掲載がある一方で、編集部が公式サイトを横断的に見ても該当ページを見つけられませんでした。 実施していないという意味ではありません。公開情報から確認できなかった、という事実だけを記録しています。 担当課の連絡先が分かるものは個別ページに書いてあります。
金額も要件も、自治体ごとにまったく違います
上限額、年齢の数え方、所得の基準年、対象になる経費、申請の受付期間 ── どれも自治体ごとに違います。 抽選方式を採っている市もありますし、親世帯との同居・近居で金額が上がる市もあります。 全件を並べた一覧は自治体の結婚新生活支援事業 横断データにあります。
なお、民間の結婚相談所を使う場合の契約条件(中途解約でいくら返ってくるか)にも、法律で決まった上限があります。 こちらは婚活サービスの契約条件 横断データにまとめています。
母集団:政令指定都市20市+中核市62市(総務省「中核市・施行時特例市」令和5年4月1日現在 62市)+東京都特別区23区。 制度の内容は年度で変わります。申請前に必ず各自治体の公式情報をご確認ください。