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結婚の補助金、上限額が自治体で5.3倍ちがう ── 静岡市80万円と相模原市15万円

公開 2026-09-03/更新 2026-09-03

結婚を機に引っ越すとき、住居費や引越費用を自治体が補助してくれる制度があります。 「最大60万円」という数字を見たことがある人は多いはずです。

ただ、その60万円は全国共通の金額ではありません。 105自治体を全件調べて上限額を並べたところ、 最も高い自治体と最も低い自治体で5.3倍の差がありました。

静岡市の80万円、相模原市の15万円

上限額を金額として読み取れた24自治体を高い順に並べると、 最も高いのが静岡市(静岡県)の80万円、 最も低いのが相模原市(神奈川県)の15万円です。 住む場所が違うだけで、受け取れる額がこれだけ変わります。

自治体上限(読み取り値)公式ページの原文
静岡市 80万円 「住居費」及び「引っ越し費用」の合計金額で、80万円を限度とします
松本市 70万円 お二人ともに29歳以下の場合 上限60万円+上乗せ上限10万円(住宅取得費用・リフォーム費用のみ)で最大70万円。お二人ともに39歳以下の場合 上限30万円+上乗せ上限10万円で最大40万円
仙台市 60万円 29歳以下の夫婦世帯:60万円/その他の世帯:30万円
千葉市 60万円 1世帯当たり30万円(婚姻時における夫婦の年齢がともに29歳以下である新婚世帯にあっては、60万円)を上限とする(交付要綱第4条)
浜松市 60万円 夫婦ともに婚姻日における年齢が29歳以下の世帯…60万円/夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下の世帯…30万円
名古屋市 60万円 夫婦等ともに29歳以下:60万円上限、その他の世帯:30万円上限
宇都宮市 60万円 一世帯あたり最大30万円。婚姻届受理時の年齢が夫婦共に29歳以下の場合は最大60万円
岐阜市 60万円 夫婦双方の年齢が29歳以下:60万円/上記以外:30万円
姫路市 60万円 最大30万円(夫婦共に29歳以下の場合は60万円)
秋田市 60万円 1世帯あたり30万円を上限に補助(夫婦ともに29歳以下の場合は1世帯あたり60万円を上限に補助)
和歌山市 60万円 一般:30万円/夫婦ともに29歳以下:60万円
豊田市 60万円 世帯所得500万円未満かつ夫婦ともに29歳以下:最大60万円/世帯所得500万円未満で39歳以下:最大30万円/その他:最大10万円
松山市 60万円 1世帯あたり限度額 60万円
横須賀市 60万円 夫婦とも29歳以下 60万円/39歳以下 30万円/49歳以下 20万円(いずれも1組あたり。2回目以降は上限額から既受給額を差し引いた額)
久留米市 60万円 婚姻日時点で夫婦ともに29歳以下:最大60万円。婚姻日時点で夫婦ともに39歳以下:最大30万円
大津市 60万円 夫婦ともに29歳以下(婚姻日時点)60万円/夫婦ともに39歳以下(婚姻日時点)30万円
山形市 60万円 1世帯(夫婦)あたり上限60万円。婚姻日時点における夫婦それぞれの年齢が29歳以下の場合は上限60万円、39歳以下の場合は上限30万円
福井市 60万円 結婚生活補助金(住宅賃借費用・引越費用)は最大60万円。婚姻日の年齢が夫婦二人ともに29歳以下で賃貸住宅に住む世帯が対象で、区分により最大60万円または最大30万円
甲府市 60万円 一世帯あたり30万円。婚姻日において夫婦ともに29歳以下の場合は60万円
高知市 45万円 通常:30万円。親世帯と同居又は近居の場合:45万円
新潟市 30万円 1世帯あたり30万円を上限に補助します
枚方市 30万円 1新婚夫婦あたり30万円を限度(年齢による区分なし)
福島市 30万円 最大30万円(年齢による区分なし)
相模原市 15万円 最大15万円(千円未満切捨て)

※「読み取り値」は原文に現れる金額の最大値です。年齢区分や同居・近居の条件で実際の額は変わります。 必ず原文と各自治体の公式情報を確認してください。

なぜ「60万円」がよく出てくるのか

国の制度設計では、1世帯あたりの上限が 「夫婦ともに29歳以下なら60万円、それ以外(39歳以下)なら30万円」という2段構成です。 この標準どおりに運用している自治体が多いため、60万円という数字が広く出回っています。 今回の調査でも、上限を60万円としている自治体は17自治体ありました。

標準を超えて出している自治体

一方で、標準の60万円を上回る自治体が2自治体あります。 ただしその上乗せの性格は同じではありません。

静岡市は「住居費」と「引っ越し費用」の合計に対する限度額として80万円を設定しています。 松本市は国の上限(29歳以下60万円)に対して、超過分の住宅取得費用・リフォーム費用に 市独自で10万円を上乗せし、最大70万円としています。

なお福井市は「合計最大100万円」と表示していますが、 うち40万円(または30万円)は使途制限のない市独自の「結婚支援金」で、 国の結婚新生活支援事業とは性格が異なります。 本サイトの比較では事業の同一性を保つため、国の事業に相当する「結婚生活補助金」の 最大60万円を読み取り値としています。 詳しくは福井市の個別ページに書きました。

標準を下回る自治体

逆に、標準の30万円を下回る自治体も1自治体あります。

年齢区分がない自治体もあります

枚方市と福島市は、年齢による上限額の区分を設けていません。 どちらも一律30万円です。つまり29歳以下の夫婦でも30万円で、 標準構成の自治体なら60万円もらえる層が半額になります。

逆に横須賀市は49歳以下まで対象で、29歳以下60万円/39歳以下30万円/ 49歳以下20万円の3段構成です。国の標準(39歳以下)より対象を広げています。

福井市は年齢区分が夫婦で非対称で、 片方が25歳以下かどうかで額が変わる設計になっています。 調査したなかではここだけでした。

自治体の横断データを見る 105自治体の上限額・要件・申請期限を一覧で見る

金額だけで引っ越し先を選ぶ前に

最大60万円の差は小さくありませんが、次の点を踏まえて判断してください。

よくある質問

上限額が高い自治体に引っ越せば、必ずその額がもらえますか?

いいえ。実際に支払った対象経費に対して交付される制度なので、支払額が上限に届かなければその分だけになります。また年齢区分によって上限が下がります。静岡市の80万円は「住居費と引っ越し費用の合計金額の限度額」であり、一律に80万円が交付されるわけではありません。

同じ県内なのに市によって金額が違うのはなぜですか?

この制度は市区町村の任意事業で、国が交付金を用意し、財源の一部を市区町村が負担する仕組みです。上限額や対象経費をどう設定するかは各市区町村の判断に委ねられているため、隣接する市でも金額が違います。

夫婦の年齢が違う場合、どちらの年齢で判定されますか?

多くの自治体は「夫婦ともに29歳以下」「夫婦ともに39歳以下」という形で、低い側ではなく高い側の年齢で判定します。つまり片方が30歳を超えていれば29歳以下の区分には入りません。なお福井市だけは夫婦の年齢を非対称に組み合わせる設計になっています。年齢は婚姻日時点で、法律上は誕生日の前日に加算される点も複数の自治体が注記しています。

上限額まで届かなかった分は、翌年度に申請できますか?

自治体によります。枚方市・松本市・福島市などは、前年度に上限額に達しなかった世帯について継続申請を受け付けています(要件は年度ごとに異なる場合があります)。制度がある自治体でも改めて申請が必要なので、該当する場合は市の案内を確認してください。

出典:こども家庭庁「結婚新生活支援事業 実施市区町村一覧」および本文・表中に挙げた各自治体の公式ページ(いずれも確認日 2026-09-03)