婚活しらべ 契約条件データ 自治体データ 自治体を探す 返金計算 診断 読みもの

結婚の補助金は、大きい都市ほどもらえない ── 東京23区は実施ゼロ、県庁所在地もそろって非実施

公開 2026-09-03/更新 2026-09-03

結婚に伴う引っ越しで、住居費や引越費用を補助してくれる自治体があります。 最大60万円という自治体もあり、金額としては小さくありません。

この制度を105自治体で全件調べて、はっきり見えたことがあります。 大きい都市ほど、やっていません。

特別区23区は、実施ゼロでした

区分調べた数公式ページで実施を確認できた数
政令指定都市207
中核市6217
特別区230
合計10524

東京都の特別区は23区すべてで実施を確認できませんでした。 政令指定都市も、調べた数に対して実施は限られます。

県庁所在地が、そろって非実施でした

さらに踏み込んで、都道府県が公表している「その年度に実施している市町村の一覧」と突き合わせました。 県は実施市町村を名指しで列挙しているので、そこに載っていなければ実施していないと判断できます。

その結果、国の一覧には載っているのに県の一覧では非掲載、という自治体が 8件見つかりました。

自治体都道府県根拠
金沢市 石川県 石川県「結婚新生活支援事業費補助金の活用について」(更新日2026年6月17日)は「令和8年度は、県内15市町において国の結婚新生活支援事業費補助金を活用した…支援を実施しています」と明記し、七尾市・小松市・加賀市・羽咋市・かほく市・能美市・野々市市・川北町・津幡町・内灘町・志賀町・宝達志水町・中能登町・穴水町・能登町を列挙している。金沢市は非掲載。あわせて市公式サイトの「結婚・離婚」ページ(www4.city.kanazawa.lg.jp)を確認したが、掲載項目は「婚姻」と「ひとり親家庭向けのサポート」のみで本事業の記載はない。
鹿児島市 鹿児島県 鹿児島市「令和8年度地域少子化対策重点推進交付金活用事業」(更新日2026年6月18日)を確認。市が同交付金で行う事業として挙げられているのは、婚活サポート事業(マリーサポートかごしま運営・AIマッチング)、ライフデザインセミナー開催事業、企業・団体間交流・出会いサポート事業、こどもまんなかプロジェクト、出会いサポートイベント開催事業、まぐまっこasobiba100認定事業で、ページ内に「結婚新生活支援」の語は存在しない。
長崎市 長崎県 長崎市「地域少子化対策重点推進交付金を活用した事業について」(ページID0058103/更新日2026年6月15日)に掲載された実施計画は、令和8年度=ながさきめぐりあい創出事業/子育てふれあい支援事業/ながさきカップル応援事業/こども子育て相談支援・情報発信事業・対話型ワークショップの4件、令和7年度=5件、令和6年度=3件で、いずれにも結婚新生活支援事業は含まれない。あわせて site:city.nagasaki.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
宮崎市 宮崎県 宮崎県「地域少子化対策重点推進交付金活用事業について(令和8年度実施)」の市町村事業欄を確認。結婚新生活支援事業を実施しているのは日南市・小林市・三股町・国富町・都農町・高千穂町等で、宮崎市の欄は出会い・結婚総合支援事業と出会いの機会創出事業のみ。同ページには「下記以外の市町村でも実施している場合がある」といった網羅性を留保する注記はなかった。あわせて市公式サイトに住居費・引越費用を対象とする本事業のページが見当たらないことを確認した。
高松市 香川県 香川県「市町の結婚支援の取組(令和8年度)」(ページID41037/公開日2026年5月21日)の「新婚世帯のための補助制度」欄に掲載されているのは丸亀市・坂出市・善通寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市・土庄町・宇多津町・綾川町・琴平町・多度津町・まんのう町で、高松市は非掲載。あわせて site:city.takamatsu.kagawa.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
富山市 富山県 富山県「令和8年度結婚新生活支援事業費補助金の活用について」(更新日2026年6月19日)は「令和8年度は以下の県内13市町において、国の結婚新生活支援事業費補助金を活用し、婚姻に伴う新生活の経済的支援を実施しています」と明記し、高岡市・魚津市・氷見市・滑川市・黒部市・砺波市・小矢部市・南砺市・射水市・上市町・立山町・入善町・朝日町を列挙している。富山市は非掲載。あわせて site:city.toyama.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した(市の結婚関連施策として確認できるのは婚活イベント等の出会いの場創出のみ)。
呉市 広島県 広島県「広島県地域少子化対策重点推進交付金について」(掲載日2026年6月19日)の令和8(2026)年度・市町事業欄では、結婚新生活支援事業を実施しているのは竹原市・三原市(1)であり、呉市の欄には「呉子ども祭助成事業、くれ こどもまんなかキャンペーン、子育て世代への情報発信・配信事業」と記載されている。あわせて site:city.kure.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した。
松江市 島根県 島根県「結婚新生活支援事業」(子ども・子育て支援課)は「令和8年度『支援プログラム(結婚新生活支援事業)』を実施している市町村 2市6町で実施しております」として浜田市・江津市・奥出雲町・川本町・美郷町・邑南町・津和野町・吉賀町を列挙している。松江市は非掲載。あわせて site:city.matsue.lg.jp に対する「結婚新生活支援」の完全一致検索が0件であることを確認した(市の結婚関連施策として確認できるのは結婚支援システム「しまコ」と出会い創出イベント事業補助金で、いずれも住居費補助型の本事業ではない)。

この8件のうち7件が県庁所在地です (金沢市・鹿児島市・長崎市・宮崎市・高松市・富山市・松江市)。 残る1件( 呉市 )は県庁所在地ではありませんが、中核市です。 中核市の指定要件は人口20万人以上なので、いずれも規模の大きい市であることは変わりません。 偶然とは考えにくい並びです。

なぜ都市部でやらないのか

制度の作りを見ると、説明がつきます。この事業には次の特徴があります。

  • 市区町村の任意事業である。国が交付金を用意しているだけで、実施は各市区町村の判断です
  • 財源の一部を市区町村が負担する。全額国費ではありません
  • 対象は新規に婚姻した世帯すべて。所得と年齢の条件を満たせば申請できます

ここから何が起きるか。人口が多い都市は、対象になる世帯数も多くなります。 1世帯あたり最大60万円を配る制度を、婚姻件数の多い都市で実施すれば、必要な予算規模は町村とは桁が違います。 移住・定住を促す効果も、もともと人が集まっている都市では見込みにくい。

逆に、人口減少に直面している町村では、 数十世帯に配って定住してもらえるなら費用対効果が合うという判断が成り立ちます。 石川県では15市町、富山県では13市町、島根県では2市6町が実施していますが、 いずれも県庁所在地は入っていません。

※これは編集部が制度の構造から立てた説明です。各自治体が非実施を決めた理由を公表しているわけではありません。 実際の判断理由はそれぞれの自治体にしか分かりません。

都市に住んでいる人はどうすればいいか

この制度をあてにできない、というのが現実的な結論です。そのうえで確認する順番はこうなります。

  1. まず自分の市区町村の公式ページを見る。 国の一覧やまとめサイトではなく、市区町村のページです。理由は次の節で書きます
  2. 実施していない場合、隣接自治体は調べても意味がない。 住民票の住所が対象自治体内にあることが要件なので、隣の市の制度は使えません
  3. 住居費以外の支援を探す。 結婚支援センターの入会登録料補助、家賃補助、子育て世帯の住宅取得支援など、 別の名前の制度がある自治体があります
お住まいの自治体の支援制度を調べる 自治体名から個別ページを見る

まとめサイトと国の一覧を信じないでください

調査中、第三者のまとめサイトで同じ自治体が「あり」と「なし」の両方に書かれている例に当たりました。 金沢市について、あるサイトは「あり」、別のサイトは「なし」としており、 県の公式一覧では非掲載でした。

国の一覧も基準日時点のスナップショットです。 こども家庭庁の一覧に載っていても、市の公式ページを開くと「終了します」と書かれている自治体が 2件ありました。 詳しくは国の一覧に載っているのに、市の公式ページでは終わっているにまとめています。

自治体の横断データを見る 105自治体の実施状況と根拠を一覧で見る

よくある質問

東京23区に住んでいます。結婚の補助はまったくないのですか?

この記事で扱っている「結婚新生活支援事業」(住居費・引越費用の補助)については、編集部が調べた時点で23区すべてで実施を確認できませんでした。ただし区が独自に行う家賃補助や子育て世帯向けの住宅支援は別にある場合があります。区の住宅課・子育て支援課のページを確認してください。

隣の市が実施しています。そちらで申請できますか?

できません。どの自治体も「補助の対象となる住宅がその市区町村内にあり、夫婦ともにその住所に住民登録があること」を要件にしています。住んでいない自治体の制度は使えません。

引っ越し先を選ぶ段階なら、実施している自治体を選ぶ価値はありますか?

金額だけを見れば最大60万円の差になり得ますが、通勤や生活の条件を曲げてまで選ぶ額かは人によります。また多くの自治体が「3年以上(甲府市は5年以上)継続して居住する意思があること」を要件にしており、短期で動く前提の人には向きません。制度は毎年度見直されるため、来年度も続くとは限らない点も踏まえて判断してください。

県庁所在地でも実施している例はありますか?

あります。この記事で挙げたのは、国の一覧に載っているのに県の最新一覧では非掲載だった県庁所在地です。県庁所在地であっても実施を確認できた自治体は別にあり、一覧ページで確認できます。

出典:こども家庭庁「結婚新生活支援事業 実施市区町村一覧」/ 石川県「結婚新生活支援事業費補助金の活用について」/ 富山県「令和8年度結婚新生活支援事業費補助金の活用について」/ 香川県「市町の結婚支援の取組(令和8年度)」/ 島根県「結婚新生活支援事業」/ 総務省「中核市・施行時特例市」/ および各自治体の公式ページ(いずれも確認日 2026-09-03)