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2026年4月から、結婚新生活支援の補助金は「動画を見ていないと」申請できなくなりました

公開 2026-09-03/更新 2026-09-03

結婚を機に引っ越すとき、住居費や引越費用の一部を自治体から補助してもらえる制度があります。 国の交付金を使った「結婚新生活支援事業」です。

この制度が、令和8年度から静かに変わりました。 お金の要件(夫婦とも39歳以下、世帯所得500万円未満)は変わっていません。 変わったのは、申請するために「やっておかなければいけないこと」が増えた点です。

動画を見るか、病院に相談していないと申請できません

横須賀市は、その理由を公式ページにこう書いています。

国の「地域少子化対策重点推進交付金実施要領」の改正により、令和8年4月1日以降の申請分から、 下記の講座の受講(動画視聴)または相談の実施が申請要件に追加されました。

出典:横須賀市「【令和8年度】結婚新生活支援事業」https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0810/kekkonshien.html(確認日 2026-09-03)

つまり国の要領が改正されたので、個別の市の思いつきではなく全国的な変更です。 編集部が令和8年度のページを読み直した実施自治体のうち、 8自治体でこの要件を確認しました。

事業の名前そのものが変わっています

都道府県の案内を読むと、変更の性格がもっとはっきりします。島根県は事業をこう呼んでいます。

結婚・妊娠・共育ての相談機会提供・支援プログラム(結婚新生活支援事業)

出典:島根県「結婚新生活支援事業」https://www.pref.shimane.lg.jp/education/syoushika/syoushika/genjo/koufukin/kekkonshinseikatsu.html(確認日 2026-09-03)

山形県も「(旧 結婚新生活支援事業)」と併記しています。 「住居費の補助」だった制度が、「相談機会の提供」を主目的に掲げる制度に組み替えられた、 というのが名称変更の意味です。補助金はその中の一部という位置づけになりました。

ただし、多くの市は依然として「結婚新生活支援事業」「結婚新生活支援補助金」という名前でページを出しています。 検索するときは旧称のままで探したほうが見つかります。

指定される講座は4種類

自治体によって呼び方は違いますが、おおむね次のいずれかを満たすことが求められます。

多くは動画視聴で済みます。福島市が指定する福島県制作の動画は9分17秒です。 ただし「夫婦それぞれが」受講する必要がある点に注意してください。 宇都宮市は共家事・共育て講座について、主婦がいる家庭は夫、主夫がいる家庭は妻が受講するよう指定しています。

自治体ごとの扱いは、けっこう違います

自治体講座受講・相談の要件(公式ページの記載)
宇都宮市必須。夫婦それぞれがライフデザイン支援講座/プレコンセプションケア講座/共家事・共育て講座のいずれかを視聴、または医療機関へ妊娠・出産に係る相談
横須賀市39歳以下の夫婦は必須。パートナーシップ宣誓者・40〜49歳の夫婦・令和7年度からの継続申請者は任意。国の実施要領改正により令和8年4月1日以降の申請分から追加された旨を市が明記
大津市必須。結婚・妊娠・共育て等に関する講座の受講、または妊娠・出産に関する相談のための医療機関の受診
枚方市必須。ライフデザイン支援講座/プレコンセプションケアに関する講座/医療機関への妊娠・出産に関する相談等のいずれかを夫婦2人とも実施
福島市必須。ライフデザイン等に関するWEB講座(福島県制作・9分17秒)の受講修了、医療機関でのプレコンセプションケア健診の受診、または医療機関での妊娠・出産に関する相談のいずれか
山形市必須。ライフデザイン支援講座/プレコンセプションケアに関する講座/医療機関への妊娠・出産に関する相談/共家事・共育て講座のいずれかを夫婦が受講等
甲府市必須。必要書類に「受講講座等確認」書類が含まれる
松本市必須。申請日までに夫婦ともにライフデザイン講座等を受講済み(動画視聴での受講も可)。ただし令和8年度内に医療機関へ妊娠もしくは出産に係る相談を行っている場合は講座受講は不要

※ここに載っていない実施自治体は、要件がないという意味ではありません。 編集部が令和8年度のページ本文で確認できたものだけを記載しています (要綱PDFにだけ書かれている場合など、本文からは読み取れないことがあります)。

年齢や立場で「任意」になる自治体もあります

横須賀市は39歳以下の夫婦には必須ですが、パートナーシップ宣誓者・40〜49歳の夫婦・ 令和7年度からの継続申請者は任意としています。 松本市は、令和8年度内に医療機関へ妊娠・出産に係る相談を行っている場合は講座受講が不要です。 自分がどの区分に当たるかで、やることが変わります。

実務上、いちばん危ないのは「順番」です

この要件は申請前に済ませておく必要があります。 引っ越しと支払いを終えてから申請しようとした段階で、 「講座を受けていないので受け付けられません」となるのが最悪のパターンです。

さらに自治体によっては、そもそも申請より前の締め切りがあります。 山形市は令和8年12月2日までの事前申込みが必須で、婚姻予定の段階でも手続きできます。 甲府市は申請の1か月前までに申込フォームへの入力が必要です。 婚姻届を出したら、まず自分の市の受付方式を確認してください。

自治体の横断データを見る 実施状況・上限額・申請期限を105自治体分まとめています

そもそも自分の市は実施しているのか

ここが最初の関門です。この制度は市区町村の任意事業なので、隣の市がやっていても自分の市はやっていないことがあります。 編集部が政令指定都市20市・中核市62市・特別区23区を全件調べたところ、 公式ページで実施を確認できたのは24自治体にとどまりました。

しかも国が公表している一覧に載っていても、実施していないことがあります。 詳しくは国の一覧に載っているのに、市の公式ページでは終わっているにまとめました。

よくある質問

講座はいつ受ければいいですか?

申請する前です。多くの自治体が「申請日までに夫婦ともに受講済みであること」を要件にしています。引っ越しや支払いを終えてから申請しようとした段階で受講していないと、要件を満たしていないため受け付けられません。

動画を見るだけでいいのですか?

多くの自治体は動画視聴で要件を満たせます。ただし受講したことを証明する書類(受講確認書など)の提出を求められるため、視聴の記録が必要です。指定される動画は自治体や都道府県が用意したもので、他の動画では代替できないことがあります。

夫婦のどちらか一方だけでは足りませんか?

足りません。確認できた自治体はいずれも「夫婦それぞれが」「お二人ともに」実施していることを要件にしています。

病院に相談すれば講座は不要ですか?

自治体によります。松本市は令和8年度内に医療機関へ妊娠・出産に係る相談を行っている場合は講座受講が不要と明記しています。福島市はプレコンセプションケア健診の受診でも代替できます。一方、相談も講座と並ぶ選択肢の一つとしている自治体もあります。必ず自分の市の記載を確認してください。

令和7年度に申請した人も対象ですか?

継続申請の扱いは自治体ごとに違います。横須賀市は令和7年度からの継続申請者について講座受講を任意としています。該当する場合は市の案内通知や公式ページを確認してください。

出典:こども家庭庁「地域少子化対策重点推進交付金」/ 横須賀市「【令和8年度】結婚新生活支援事業」/ 島根県「結婚新生活支援事業」/ および本文中に挙げた各自治体の公式ページ(いずれも確認日 2026-09-03)